お盆明けに体が戻らないのはなぜ?起床時刻が2時間ずれるだけで起きること|厚労省の睡眠ガイドに沿った戻し方6つ

お盆休みが終わりました。目覚ましが鳴っても起きられない、日中ずっと眠い、何もしていないのに疲れている。休んだはずなのに、休む前より調子が悪い気がする。
これは気合いの問題ではなく、体内時計がずれたことで起きている現象です。しかも「たくさん寝たこと」自体が原因になっていることがあります。この記事では、なぜ連休明けに体が戻らないのかと、厚生労働省の睡眠ガイドに沿った戻し方をまとめます。
寝だめが裏目に出る仕組み
連休中、起きる時刻が2時間後ろにずれた人は多いはずです。普段7時に起きているのが9時になる。それだけのことに見えますが、体内時計から見ると2時間の時差がある土地に移動したのと似た状態になります。海外旅行の時差ぼけと同じことが、家にいながら起きるわけです。
厄介なのは、休みが終わっても体内時計がすぐには戻らないことです。体は「9時起き」に合わせた設定のまま、翌週から7時起きを要求されます。夜は眠くならず、朝は起きられない。日中に眠気が来る。これが連休明けの数日に起きていることです。
平日と休日の起床時刻のずれによって生じるこの不調は「社会的時差ぼけ」と呼ばれることがあります。休みのあいだの「寝だめ」は、睡眠不足の解消にはなっても、リズムのずれという別の問題を作ります。
体内時計を戻す鍵は「光」
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、体内時計の調整で光を浴びるタイミングが鍵になると説明しています。目(網膜)に入る光が、体内時計を調整する働きを持つためです。
同ガイドは、寝つきが悪い人や朝起きられない人に対して、起床後から午前中にかけて多くの光を浴びることを勧めています。まずは起きたらカーテンを開けて、部屋に自然光を入れること。日中に明るい光を浴びておくと、夜のメラトニン(眠気を促すホルモン)の分泌が増えるとも書かれています。
つまり「朝の光を浴びる」ことが、夜の眠りを作ります。連休明けに夜眠れないのは、夜の過ごし方の問題というより、朝の光の問題であることが多いのです。
戻し方6つ
1. 就寝時刻ではなく、起床時刻を固定する
「早く寝よう」としても、眠くないものは眠れません。先に動かすべきは起きる時刻です。起床時刻が一定になれば、光が目に入るタイミングも一定になり、体内時計が整っていきます。夜の眠気は後からついてきます。
2. 起きたらすぐカーテンを開ける
睡眠ガイドが真っ先に挙げている行動です。ベッドから出る前でも構いません。部屋に光を入れることから始めてください。曇りの日でも屋外の明るさは室内照明よりはるかに強く、効果があります。
3. 午前中に外へ出る用事を作る
光を浴びるのに、外に出るのがいちばん確実です。朝いちばんにカフェへ行くのは、そのための口実として優秀です。歩いて向かう時間で光を浴び、席に着いて朝食をとれば、次に挙げる「朝食」も同時に済みます。連休明けの数日だけでも、出社前に30分早く家を出て店に寄る。これだけでリズムの戻り方が変わります。
4. 朝食を抜かない
睡眠ガイドは、しっかりとした朝食を、睡眠と覚醒のメリハリをつける要素として挙げています。連休中に食事の時刻が乱れた人ほど、朝食の時刻を戻すことに意味があります。
5. 昼寝は短く、午後の早い時間に
眠気が強い日は無理をせず短く眠るほうがよいのですが、夕方以降に長く眠ると夜の入眠が遅れ、翌朝がさらに苦しくなります。連休明けの悪循環はここから始まりがちです。
6. 完全に戻るまで数日かかると織り込む
ずれた体内時計は一晩では戻りません。初日から通常運転を期待しないことが、実は最も効く対策です。連休明けの2〜3日は重要な予定を詰め込まない。それだけで「戻らない自分」に苛立つことがなくなります。
お盆明けは、5月の連休明けより条件が悪い
ゴールデンウィーク明けにも同じことが起きますが、8月には別の要素が重なります。暑さです。
夜間の気温が高いと寝つきにくく、睡眠が浅くなります。エアコンをつけっぱなしにするか切るかで体調を崩す人もいます。加えて、日中の暑さで体力を消耗し、冷たい飲み物で胃腸が弱っていることもあります。生活リズムのずれに、暑さによる睡眠の質の低下と夏の疲れが積み重なるのが、お盆明けの実態です。
だからこそ、戻し方は「気合いを入れる」ではなく「条件を整える」方向にしてください。朝に光を浴びる、起床時刻を固定する、初日に無理をしない。順番はこれでいきましょう。
朝のカフェが効く理由
連休明けにカフェを勧めるのは、コーヒーのためだけではありません。家から出て、光を浴びて、決まった時刻に何かを食べる。この3つが一度に片づくからです。
朝7時台から開いている店は、思っているより多くあります。駅構内のチェーン店なら6時半に開く店もあり、通勤の途中に寄れます。朝の店内は夜と違って静かで、席も空いています。連休明けの重い気分のまま職場へ直行するより、30分でも自分の時間を挟んだほうが、その日の入り方が変わります。
もう一つ。朝に行く店を決めておくと、起きる理由になります。「起きなければ」より「あの店に行くために起きる」のほうが、体は素直に動きます。連休明けの数日だけの話ですから、少し贅沢な店にしても構いません。
よくある質問(FAQ)
Q. 連休中に寝だめするのはよくないのですか?
睡眠不足を補う意味はありますが、起床時刻が大きく後ろにずれると体内時計もずれます。休み中も起床時刻を普段から大きく外さないほうが、明けてからが楽になります。
Q. 何日くらいで戻りますか?
個人差がありますが、一晩では戻りません。連休明けの2〜3日は本調子でないものと考えて予定を組むほうが現実的です。起床時刻を固定して朝の光を浴びる日が続くほど、戻りは早くなります。
Q. 夜眠れないのですが、どうすればいいですか?
夜ではなく朝を変えてください。厚生労働省の睡眠ガイドは、寝つきが悪い人ほど起床後から午前中に光を浴びることを勧めています。日中に明るい光を浴びると、夜のメラトニン分泌が増えるとされています。
Q. カフェインは飲んでもいいですか?
朝や日中の一杯は問題になりにくいものの、夕方以降に飲むと入眠に影響することがあります。連休明けでリズムを戻したい時期は、午後の遅い時間のコーヒーを控えるほうが無難です。
Q. 5月病と同じものですか?
重なる部分はありますが、お盆明けは暑さによる睡眠の質の低下と夏の疲れが加わる点が違います。生活リズムのずれだけでなく、体力の消耗も同時に起きていると考えてください。
まとめ
お盆明けに体が戻らないのは、連休中に起床時刻が後ろへずれ、体内時計と生活時間の間に時差が生まれたからです。厚生労働省の睡眠ガイド2023は、体内時計の調整に光を浴びるタイミングが鍵になるとし、起床後から午前中に多くの光を浴びること、まずカーテンを開けることを勧めています。
やることは3つです。起床時刻を固定する。起きたらすぐ光を入れる。そして初日から本調子を求めない。朝に行く店を決めて、そこへ歩いていくのは、この3つを一度に満たす方法として悪くありません。
参考サイト
- https://www.mhlw.go.jp/content/001298243.pdf | 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- https://www.mhlw.go.jp/content/001288005.pdf | 厚生労働省「良い睡眠のために できることから始めよう」
- https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html | e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
