涼しくなったのに眠い9月|日の入りが1か月で42分早まり、必要な睡眠時間そのものが変わる

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暑さが引いてきたのに、なぜか疲れが抜けない。朝がつらい。日中に眠気が来る。9月に入るとよく聞く話です。いわゆる「秋バテ」と呼ばれる不調で、これは俗称なので医学的な定義があるわけではありません。
ただ、この時期に眠さが増すこと自体には、はっきりした背景があります。厚生労働省の睡眠ガイドは必要な睡眠時間が季節によって変わると書いていて、その原因として日の長さを挙げています。そして9月は、その日の長さが1年でいちばん大きく動く月です。
9月の1か月で、日の入りは42分早まる
国立天文台の計算による、2026年の東京の日の入り時刻です。
| 日付 | 日の入り |
|---|---|
| 9月1日 | 18:09 |
| 9月15日 | 17:49 |
| 9月23日(秋分の日) | 17:37 |
| 9月30日 | 17:27 |
| 10月31日 | 16:47 |
9月のあいだに42分早まります。10月末まで見ると、9月1日から82分——1時間22分の差です。
月ごとの動きを並べると、7月が15分、8月が37分、9月が43分、10月が40分、11月が18分(各月1日から翌月1日まで)。日の入りが早まっていくこの時期のなかで、9月がいちばん大きく動きます。「急に暗くなるのが早くなった」という感覚は、気のせいではありません。
日が短くなると、必要な睡眠時間が変わる
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、「必要な睡眠時間は季節によっても変化する」という項目があります。
睡眠時間は季節によっても変動し、夏季に比べて冬季に10〜40分程度、睡眠時間が長くなることが示されています。この主な原因として、日長時間(日の出から日の入りまでの時間)の短縮が考えられています。
夏より冬のほうが10〜40分長く眠る。しかもその主な原因として名指しされているのが、日の長さの短縮です。
9月は、その日長時間がいちばん急に縮んでいく時期にあたります。体が必要とする睡眠時間が動いている最中に、生活のスケジュールだけが夏のまま——そう考えると、眠気やだるさの説明がつきます。
ちなみに同じガイドは、夏について「寝つきや眠りの持続が他の季節よりも難しくなる」とも書いています。夏に足りなかったぶんと、秋に増えた必要量が、9月に重なるかたちです。
体内時計は、光で季節に合わせている
なぜ日の長さが睡眠を動かすのか。鍵は体内時計です。
厚生労働省の用語解説によると、人の体内時計の周期は24時間よりわずかに長く、そのままにしておくとずれていきます。これを外の24時間に合わせているのが、目から入る光です。
同調機構によって地球の公転による日長時間の季節変化や、時差地域への急速な移動にともなう明暗周期の変化に体内時計を一致させることができます。人間では、朝の強い光は体内時計を早める方向に、夜の光はこれを遅らせる方向に働きます。
体内時計は、時刻だけでなく季節にも合わせている。9月はその合わせ直しがいちばん急な時期なので、体がついていくのに時間がかかるわけです。
合わせ直しを助ける3つのこと
睡眠ガイドが挙げている方法のうち、この時期に効くものを3つ。
1. 朝、部屋に光を入れる。 起床後に朝日を浴びると体内時計がリセットされ、脳の覚醒度が上がります。ガイドは、日中に1,000ルクス以上の光を浴びることで夜のメラトニン分泌が増え、寝つきがよくなるとしています。まずカーテンを開けるところからです。
2. 朝ごはんを抜かない。 体内時計を調整するのは光だけではありません。ガイドは、1週間ほど朝食を抜くと体内時計が後ろにずれる(遅寝・遅起きになる)という報告を紹介しています。
3. お風呂は寝る1〜2時間前に。 就寝の約1〜2時間前に入浴すると、そうしなかった場合より速やかに眠りに入れることが報告されています。湯温が高すぎると逆効果になることもあるので、熱すぎない湯がすすめられています。
成人の睡眠時間については、ガイドは「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」としています。適正な長さには個人差があり、おおよそ6〜8時間が目安です。
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よくある質問(FAQ)
Q. 秋バテとは何ですか?
季節の変わり目に感じる疲れやだるさを指す俗称で、医学的に定義された言葉ではありません。ただし、日の長さの変化にともなって必要な睡眠時間が変わることは、厚生労働省の睡眠ガイドに書かれています。
Q. なぜ秋になると眠くなるのですか?
睡眠ガイド2023は、夏に比べて冬は睡眠時間が10〜40分ほど長くなり、その主な原因は日長時間(日の出から日の入りまでの時間)の短縮だとしています。9月はその日長時間が大きく縮む時期にあたります。
Q. 9月はどのくらい日が短くなりますか?
2026年の東京では、日の入りが9月1日の18時09分から9月30日の17時27分へ、1か月で42分早まります(国立天文台)。
Q. 朝はどのくらい光を浴びればいいですか?
睡眠ガイドに「何分」という数値はありません。示されているのは、日中に1,000ルクス以上の照度の光を浴びることで効果が得られるという点です。起床後にカーテンを開けて部屋に光を入れ、日中もできるだけ日光を浴びることがすすめられています。
Q. 大人は何時間眠ればいいですか?
睡眠ガイド2023の成人版の推奨事項は「適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」です。本文ではおおよそ6〜8時間が適正としています。
まとめ
9月に眠気やだるさが出るのは、体が季節に合わせ直している最中だからです。2026年の東京では、日の入りが1か月で42分早まります。厚生労働省の睡眠ガイドは、夏より冬のほうが10〜40分長く眠るようになり、その主な原因は日の長さの短縮だとしています。体内時計は目から入る光で季節にも合わせられているので、朝に光を入れ、朝食をとり、寝る1〜2時間前にお風呂に入る。夏のスケジュールのまま走らずに、秋のぶんだけ眠る時間を足してみてください。
参考サイト
- https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf | 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-039.html | 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「体内時計」
- https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html | 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「快眠と生活習慣」(三島和夫)
- https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2026/rekiyou264.html | 国立天文台「令和8年(2026)暦要項」東京の日出入
