缶コーヒーが豆を追い越すのは7月と8月だけ|家計調査でたどる、コーヒーの1年

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9月も後半になると、アイスからホットに戻す人が増えてきます。では実際、日本の家庭でコーヒーの飲み方が切り替わるのはいつなのか。
総務省の家計調査を月ごとに並べると、これがきれいに出ます。しかも「豆・粉・インスタント」と「缶・ペットボトル」が、正反対の波を描いています。この2つの立場が入れ替わるのは、1年のうち7月と8月だけでした。
家計調査は「コーヒー」と「コーヒー飲料」を分けている
まず前提です。家計調査には、コーヒーの項目が2つあります。
- 「コーヒー」 粒・か粒・粉末・固体のもの。インスタントコーヒーを含む。=家で淹れる側
- 「コーヒー飲料」 液体のみ。濃縮液を含む。コーヒー牛乳は別項目。=缶やペットボトル
以下の数字はすべて二人以上の世帯・1世帯あたり1か月間の支出金額です。喫茶店で飲むコーヒーは別の項目なので、ここには入りません。あくまで家に持ち帰る側の話です。
2つは正反対に動く
2024年と2025年の月別支出です。
「コーヒー」(豆・粉・インスタント)
| 年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 735 | 673 | 760 | 680 | 651 | 608 | 523 | 487 | 498 | 621 | 735 | 919 |
| 2025 | 757 | 754 | 841 | 783 | 745 | 701 | 659 | 683 | 668 | 837 | 1,029 | 1,177 |
「コーヒー飲料」(缶・ペットボトル)
| 年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 353 | 345 | 385 | 455 | 510 | 560 | 594 | 602 | 545 | 472 | 413 | 383 |
| 2025 | 367 | 359 | 447 | 457 | 523 | 610 | 695 | 713 | 628 | 535 | 473 | 422 |
「コーヒー」は12月がピークで、真夏が底。12月は最少の月の1.8〜1.9倍です。「コーヒー飲料」は8月がピークで、2月が底。ちょうど半年ずれています。
入れ替わるのは7月と8月だけ
面白いのは、2つの金額が交差する月です。ふだんは「コーヒー」のほうが多いのですが、夏だけ「コーヒー飲料」が上回ります。
| 年 | コーヒー飲料が上回った月 |
|---|---|
| 2020 | 8月 |
| 2021 | 7月・8月 |
| 2022 | 7月・8月 |
| 2023 | 7月・8月・9月 |
| 2024 | 7月・8月・9月 |
| 2025 | 7月・8月 |
2021年からの5年間、逆転はこの2か月(年によっては9月まで)だけで起きてきました。9月に入ると缶の勢いが落ちて、10月には「コーヒー」がはっきり前に出ます。切り替わりは10月、というのが数字の答えです。
ちなみに2026年は7月分まで公表されていますが、7月は「コーヒー」759円に対して「コーヒー飲料」739円で、僅差ながら逆転していません。毎年必ず起きる現象ではなく、ここ数年そうだった、という読み方が正確です。
紅茶・緑茶・ココアは、また違う形をしている
同じ家計調査で、ほかの飲み物も見てみます。
- 紅茶 12月が最多、7月が最少。振れ幅は2.3〜2.5倍で、実はコーヒーより季節の差が大きい
- 緑茶 5月が突出。2025年は5月433円に対して他の月は200円台です。新茶の季節がそのまま出ています。年間で唯一、夏でも冬でもなく春がピークになる飲み物です
- ココア 12月が最多、夏が最少。振れ幅は2.9〜3.5倍で全品目中いちばん大きい。夏はほとんど買われません
コーヒーは冬に寄る、緑茶は春に立ち上がる、ココアは冬にだけ現れる。飲み物ごとに、1年の形がまるで違います。
ひとつ注意。2025年の金額が高いのは「値段」のほう
上の表を見ると、2025年は軒並み前年より高くなっています。「コーヒー」の年間支出は2024年の7,890円から2025年は9,635円で、22%増。ただしこれは、たくさん買うようになったという意味ではありません。
家計調査には物価の変動を除いた「実質増減率」という指標もあって、コーヒー・ココアの2025年は12か月のうち9か月がマイナスです。支出額は増えても、買った量はむしろ減っています。金額の推移を人気の推移と読むと、逆の結論になります。
夏の缶が一段落したこの時期、来年の夏に向けて家で作る側に寄せるなら、水出しコーヒーのポットをYahoo!ショッピングで探す(広告)という手もあります。
よくある質問(FAQ)
Q. 家庭でコーヒーがいちばん買われるのは何月ですか?
豆・粉・インスタントを指す「コーヒー」は、2024年・2025年とも12月がピークでした。二人以上の世帯で、2025年12月は1世帯あたり1,177円です。
Q. 缶コーヒーがいちばん売れるのはいつですか?
家計調査の「コーヒー飲料」(缶・ペットボトル)は、2024年・2025年とも8月がピークで、2月が最少でした。豆・粉とはちょうど半年ずれた波を描いています。
Q. 缶が豆を上回るのはいつですか?
2021年から2025年までは、7月と8月(年によっては9月まで)に限られていました。ただし2026年7月は「コーヒー」759円に対し「コーヒー飲料」739円で、逆転していません。
Q. 緑茶はいつ買われますか?
5月が突出しています。2025年は5月が433円で、ほかの月の200円前後を大きく上回りました。新茶の時期にあたるためで、春がピークになる珍しい飲み物です。
Q. 2025年はコーヒーの消費が増えたのですか?
支出金額は増えましたが、量は増えていません。物価変動を除いた実質増減率は、コーヒー・ココアの2025年で12か月中9か月がマイナスでした。
まとめ
家計調査で見ると、家で淹れる「コーヒー」は12月がピークで真夏が底、缶やペットボトルの「コーヒー飲料」は8月がピークで2月が底。半年ずれた2つの波が交差するのは7月と8月だけで、9月に缶が引いて、10月には豆と粉がはっきり前に出ます。緑茶が5月、ココアが12月に立ち上がるのと並べてみると、飲み物ごとに1年の形が違うのがよく分かります。手元の一杯が冷たいか温かいかは、けっこう大きな流れの一部です。
参考サイト
- https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=0&tclass1=000001228280&tclass2val=0 | 総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 長期時系列表」(品目分類・支出金額/実質増減率)
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/kou2025/zuhyou/kouh2025.xlsx | 総務省統計局「家計調査 収支項目分類の内容例示(2025年改定)」(品目の定義)
- https://www.stat.go.jp/data/kakei/ | 総務省統計局「家計調査」
