セミはなぜ鳴かない?2025年関東の梅雨事情と気候変動の影響を解説

今年の夏、あれ?セミの鳴き声が例年より少ないと感じていませんか?
真夏の風物詩ともいえるセミの声には、気候の変化を映す“生物指標”としての役割があります。
セミはなぜ鳴くのか?種類と生態の基本
セミの鳴き声はオスだけが発する求愛行動です。
種類ごとに鳴き声のオノマトペは異なり、日本には36種1亜種が生息しています。
幼虫は土中で数年〜10年以上を過ごし、羽化して体が固まってからようやく鳴けるようになります。
- 俗説「7年7日」とは異なり、成虫期間は約3週間〜1ヶ月の個体も多い
- 成虫は樹液のみを吸う完全液体食性
- 鳴き声は一箇所で鳴き終わると移動して再び鳴く“鳴き移り”も
- 外敵はカラスやカマキリで、カラスは羽を残して捕食
- クビキリギスの声を誤認することもある
- 外来種タケオオツクツクは中国由来で、竹箒から侵入し埼玉・神奈川などでも確認
2025年関東“梅雨なし説”と異常気象の現状
2025年の関東は、梅雨入りしたものの降水量が極端に少なくSNSでは梅雨なし説が拡散しました。
気象庁統計でも6月の気温は1898年以降で過去最高(+2.34℃)。
チベット高気圧と太平洋高気圧の影響で梅雨前線が北上し、土壌は乾燥しています。
- 水源ダムの貯水率低下で節水要請の可能性大
- 農作物の生育不良リスクも拡大
結局、今年のセミがまだ鳴いていないのはなぜ?
例年なら梅雨明けとともに一斉に鳴き始めるはずのセミが、2025年はほとんど鳴かない地域も見られます。
その原因は、記録的な高温と少雨による土壌の乾燥です。
土が乾きすぎると幼虫が適切に羽化できず、地上に出てこられないケースが増えます。
さらに都市化でアスファルトが多い場所では地面の温度が上がりやすく、羽化のタイミングが乱れ、鳴き声の減少につながっています。
種類ごとに違う鳴く時間帯と見た目
代表的な7種のセミは、種類ごとに鳴き始める時期や時間帯、姿の特徴も異なります。
-
クマゼミ:
7月中旬〜9月上旬、朝夕に合唱。
大型で黒く光沢があり翅は透明。関西以西で多い。 -
アブラゼミ:
7月中旬〜9月末、油を炒めるような声。
茶色の翅にまだら模様が特徴で、住宅街や公園でもっともよく見られる。 -
ミンミンゼミ:
都心でも多く“夏の象徴”。
翅は透明で、緑がかった模様が入る。街路樹でもよく見かける。 -
ヒグラシ:
涼やかな声で夕方に合唱。
小柄で翅が薄く半透明。林や山地に生息。 -
ツクツクボウシ:
夏の終わりを告げる鳴き声。
小型で黄緑色がかった体色。庭木や公園で見つかる。 -
ニイニイゼミ:
夜間も街灯下で鳴くことあり。
体は小さく灰褐色で苔むしたように見える。葉に溶け込む保護色が特徴。 -
ハルゼミ:
松林に多く、松枯れ病で個体数減少。
小型で翅が茶褐色がかり、松の幹に溶け込む色をしている。
異常気象と都市化の影響|暮らしへの気づき
気温上昇や雨不足は土壌乾燥を招き、セミの羽化だけでなく私たちの暮らしにも直結します。
生態系のバランスが変わる兆しとして、鳴き声の変化は“小さなサイン”ともいえるでしょう。
- 異常高温は熱中症リスクや水不足を増大させる
- 都市化により土壌の性質が変わり、生息地はさらに限定的に
暮らしの中でできる備えとして、節水や熱中症対策を心がけることも大切です。
もし外で涼しく作業するなら、Café Cherché(カフェ・シェルシェ)を活用してみてください。
Wi-Fiや電源完備の快適なカフェで、自然の“声”に耳を澄ませながら過ごしてみてください。
