北欧のサウナから南半球の真夏クリスマスまで|世界のユニークなクリスマス文化10選

海外では、私たちが知っている「定番のクリスマス」とは少しちがう、ユニークなお祝いのしかたがたくさんあります。
サウナに入ってからプレゼントを開ける国、真夏のビーチでクリスマスを迎える国、街中にちょっと不気味なキャラクターが現れる国まで……。
この記事では、世界各地の「ちょっと面白いクリスマスの祝い方」を10カ国分ピックアップしてご紹介します。
世界の面白いクリスマスの祝い方10選【一覧】
まずは、この記事で取り上げる「世界のユニークなクリスマス文化」を一覧でチェックしてみましょう。
- フィンランド:サウナとサンタ村で過ごすホワイトクリスマス
- スウェーデン:白い衣装とろうそくの「聖ルシア祭」
- ドイツ:グリューワイン香るクリスマスマーケット
- イギリス:クリスマスクラッカーと七面鳥ディナー
- イタリア:魔女ベファーナがプレゼントを届ける
- スペイン:主役はサンタではなく「東方の三賢人」
- フィリピン:9月から始まる世界一長いクリスマスシーズン
- オーストラリア:真夏のビーチでBBQクリスマス
- メキシコ:ピニャータを割って祝う色鮮やかな行列
- 日本:フライドチキンとショートケーキの“日本流”クリスマス
ここからは、エリア別にもう少し詳しく見ていきます。冬のカフェ時間に、世界旅行気分で読み進めてみてください。
1. 北欧エリアのユニークなクリスマス
フィンランド|サンタ村とサウナで迎える一日
フィンランド北部ラップランド地方のロヴァニエミには、「サンタクロース村」と呼ばれる観光地があり、“サンタさんの故郷”として世界中から人が集まります[1]。一年中クリスマス気分を味わえる場所ですが、やはり12月の雪景色とイルミネーションは別格です。
フィンランドの家庭では、クリスマスイブに家族でサウナに入り、心身を清めてからディナーやプレゼント交換を楽しむ習慣も。静かな森と雪に囲まれたサウナは、まさに「究極のチルなクリスマス」といえそうです。
スウェーデン|「聖ルシア祭」で光を待つクリスマス
スウェーデンでは、12月13日の「聖ルシア祭」からクリスマスムードが一気に高まります。白いドレス姿の少女が頭にろうそくの冠をつけて歌いながら歩く姿は、冬の暗さのなかで光を象徴する存在。
ルシア祭の朝には、子どもたちがサフラン入りの黄色いパン「ルッセカット」を家族にふるまうなど、北欧らしいあたたかな習慣が残っています。キャンドルの柔らかな光は、カフェでのキャンドルナイトにも取り入れやすいアイデアです。
2. ヨーロッパ各国のクリスマス文化
ドイツ|グリューワイン香るクリスマスマーケット
「クリスマスマーケット」と聞いて思い浮かべる人も多いドイツ。各都市の広場には、木製の屋台が並び、ホットワイン(グリューワイン)やソーセージ、手作りのオーナメントが並びます。
アドベント(クリスマスまでの4週間)をカウントダウンするアドベントカレンダーもドイツ発祥。大人向けには、クラフトビールやコーヒードリップバッグを詰めた“アドベントボックス”を作るのも面白いアレンジです。
イギリス|クリスマスクラッカーとローストディナー
イギリスのクリスマスディナーといえば、ローストターキーやローストポテト、芽キャベツなどを並べた豪華な食卓。さらに、テーブルには「クリスマスクラッカー」と呼ばれる筒状の紙が置かれ、両端を引っ張ると「パーン!」と音を立てて紙の王冠やジョーク、ちいさなオモチャが飛び出します。
家族や友人とクラッカーを引き合って、大笑いしながらディナーを楽しむのが英国流。日本のカフェやホームパーティーでも、簡易版クラッカーや一言メッセージカードを用意すれば、場が一気に盛り上がります。
イタリア|魔女ベファーナがプレゼントを届ける
イタリアでは、サンタクロースのほかに「ベファーナ」という魔女のキャラクターが人気です。1月6日の公現祭(エピファニア)の前夜、良い子にはお菓子を、悪い子には炭を靴下に入れていくと言われています。
カラフルなキャンディとブラックカラーのお菓子(炭を模したチョコレートなど)をミックスしてギフトにすれば、イタリアのユーモアを感じるミニプレゼントになります。
スペイン|主役はサンタではなく「東方の三賢人」
スペインでは、子どもたちにとってのメインイベントは1月6日「東方の三賢人の日」。1月5日には、三賢人のパレードが街を練り歩き、子どもたちは三賢人に手紙を書いてプレゼントをお願いするのが定番です。
クリスマスの時期が少し長く続くイメージで、12月24日・25日のほか、年明けまで家族行事が続きます。日本でも、「年明けにもう一度クリスマスっぽいスイーツを出す」など、スペイン風のアレンジができそうです。
3. アジア・オセアニアのクリスマス
フィリピン|9月から始まる世界一長いクリスマス
フィリピンは「世界でいちばんクリスマスシーズンが長い国」と言われ、早ければ9月からクリスマスソングが流れ始めます[2]。
教会のミサ「シンバン・ガビ」に参加したり、星型ランタン「パロル」を飾ったりと、家族や地域コミュニティでのつながりを大切にする文化が色濃く残っています。長いクリスマスシーズンは、街全体がゆっくりとお祝いモードに入っていくイメージです。
オーストラリア|真夏のビーチでBBQクリスマス
南半球に位置するオーストラリアのクリスマスは、真夏の真っ最中。サンタクロースがサーフボードに乗ったイラストが使われるなど、「夏×クリスマス」のポップな組み合わせが日常です。
ビーチでBBQをしながら家族や友人と過ごしたり、冷たいスパークリングワインとシーフードを楽しんだり。日本でも、「冷たいドリンク+さっぱり系スイーツ」で夏に“なんちゃってクリスマス”イベントをするのも面白いかもしれません。
日本|フライドチキンとショートケーキの“日本流”クリスマス
日本では、キリスト教徒は少数派でありながら、クリスマスは冬の一大イベントとして定着しています。そのなかでもユニークなのが「クリスマス=フライドチキン&苺のショートケーキ」というイメージ。特に、KFCのクリスマスバーレルは、毎年約数百万人の家庭が予約すると言われる定番行事になっています[3]。
クリスマスが「家族でほっこり」だけでなく、「恋人と過ごすロマンチックな日」という側面を持つのも日本らしいポイント。イルミネーションやホテルディナーを組み合わせたクリスマスデートプランは、海外から見るととても新鮮に映るはずです。
4. ラテンアメリカのクリスマス
メキシコ|ピニャータと色鮮やかな行列
メキシコのクリスマスシーズンは、12月16日から始まる「ポサダ」と呼ばれる行列からスタートします。人々がろうそくを持って街を練り歩き、宿を探すマリアとヨセフの物語を再現する宗教的な行事です。
子どもたちの楽しみは、やはり「ピニャータ」。星型などの紙製のくす玉を棒で叩き割ると、中からお菓子やフルーツが飛び出します。パーティーの盛り上げ役として、日本のホームパーティーにも取り入れられるアイデアです。
カフェ時間に楽しむ「世界のクリスマス」の取り入れ方
ここまで見てきたように、クリスマスの祝い方は国によって本当にさまざま。とはいえ、すべてを再現する必要はなく、「いいな」と思った要素だけをカフェ時間やおうち時間に少しだけ取り入れてみるのがおすすめです。
フード&ドリンクで取り入れる
- 北欧風:シナモンロールやスパイスクッキー、ホットチョコレートを用意する
- ドイツ風:ノンアルでも楽しめるグリューワイン風ホットドリンクを出してみる
- イタリア風:小さな靴下型のラッピングにお菓子を詰めてミニギフトにする
- 日本風:フライドチキンとショートケーキで「王道・日本のクリスマス」を楽しむ
音楽とインテリアで取り入れる
- 北欧やヨーロッパのクリスマスソングをプレイリスト化してBGMに
- キャンドルや間接照明で「ルシア祭」のようなやわらかい光を演出
- 紙製のピニャータ風オブジェや星型ランタンを壁に飾る
過ごし方のアイデアとして取り入れる
- フィンランド風に、サウナやお風呂でゆっくり温まってからクリスマスディナーを楽しむ
- スペイン&イタリア風に、年明けまで「ゆるく続くクリスマス」として家族や友人と会う予定を入れる
- フィリピンを参考に、少し早めにクリスマスソングや飾りつけを始めて“長く楽しむ”スタイルにする
まとめ|お気に入りの国を1つ決めて、今年のテーマにしてみる
世界のクリスマス文化を眺めてみると、「正解のクリスマス」はどこにもなく、気候や歴史、価値観に合わせてそれぞれの国が自分たちらしい祝い方を育ててきたことがわかります。
今年の冬は、10カ国のなかから「これいいな」と思った1つを選んで、テーマにしてみてはいかがでしょうか。たとえば、
- 北欧テーマで、キャンドルとシナモンロールを用意する
- オーストラリアテーマで、あえて夏にクリスマス風パーティーをしてみる
- 日本テーマで、あらためてフライドチキンとショートケーキをじっくり味わう
カフェで過ごす1杯のコーヒータイムも、「今日はどこの国のクリスマスにしよう?」と考えてみるだけで、少しだけ特別な時間に変わります。あなたの次のクリスマスは、どの国のスタイルで過ごしますか。
