一年で一番暑いのはなぜ8月?太陽が高いのは6月なのに猛暑が遅れて来る「季節のズレ」の仕組み

一年で最も暑いのは、7月後半から8月にかけての真夏です。ところが、太陽が最も高く昇り、昼が最も長いのは6月21日ごろの夏至。地面が太陽から受け取るエネルギーが最大になる月と、気温が最高になる月が、およそ2か月もずれています。
太陽のピークが6月なのに、なぜ暑さのピークは8月に来るのでしょうか。答えは「熱がたまるまでの時間差」にあります。この記事では、その仕組みを、一日の暑さのズレや残暑の過ごし方とあわせて紹介します。
太陽の高さがピークになるのは6月の夏至
地面が受け取る日射の量は、太陽の高さと昼の長さで決まります。北半球ではどちらも夏至(6月21日ごろ)で最大になります。日射だけで気温が決まるなら、一番暑いのは6月末のはずです。
ところが実際は違います。気象庁の平年値(1991〜2020年)で東京の月平均気温を見ると、8月が約28℃で最も高く、7月が約27℃で続き、6月は約23℃と数℃低くなっています。日射が最大の6月ではなく、8月が暑さの頂点です。太陽のピークと気温のピークは、はっきりずれているのです。
なぜ暑さのピークは8月にずれるのか
鍵は「たまっていく熱」です。地面や海は日射を受けて温まりますが、温まるのに時間がかかります。この遅れが、季節のズレを生みます。
入る熱が出る熱を上回る間、気温は上がり続ける
昼間、地面は太陽から熱を受け取ります(入る熱)。同時に、地面や大気は宇宙へ向けて熱を逃がしています(出る熱)。入る熱が出る熱を上回っているあいだは、余った熱がたまり、気温は上がり続けます。
夏至を過ぎると日射は少しずつ減りますが、それでもしばらくは入る熱のほうが多い状態が続きます。両者がようやく釣り合うのが真夏です。だから気温の頂点は、日射の頂点である夏至より2か月ほど遅れて訪れます。
海と地面のため込みがタイムラグを大きくする
とくに海は、温まりにくく冷めにくい性質があります。日本は周囲を海に囲まれているため、この影響を強く受けます。海水温のピークは気温よりさらに遅く、8月後半から9月ごろです。ためこまれた海の温もりが陸の気温を下支えし、暑さのズレをいっそう大きくしています。
一日の中でも同じズレが起きている
同じ現象は、一日のなかでも起きています。太陽が最も高くなるのは正午ですが、最高気温が出るのは午後1時から2時ごろです。
理由は季節のズレとまったく同じです。正午を過ぎて日差しが弱まり始めても、入る熱が出る熱を上回っているあいだは、地面と空気の温度は上がり続けます。年単位で起きるズレの、縮小版が一日のなかでも繰り返されているわけです。暑さを避けたいなら、正午よりも午後の早い時間帯こそ要注意、と覚えておくと役立ちます。
8月の暑さと残暑を乗り切る過ごし方
暑さのピークが遅れて来る仕組みを知ると、備え方も見えてきます。
- 危険なのは午後1〜3時:気温が最も高くなる時間帯です。外出や運動は、比較的涼しい早朝や夕方に回しましょう。
- 残暑は9月まで続く前提で:海水温が高いまま9月に入るため、暑さは長く尾を引きます。近年は9月でも真夏日が珍しくありません。
- 水分と塩分はこまめに:のどが渇く前に少しずつ。屋内でも熱中症は起きます。
- 夜も油断しない:日中にためこんだ熱で、夜も気温が下がりきらない日が続きます。寝室の温度管理も大切です。
- 暑い時間はカフェで涼む:気温がピークになる昼下がりを、冷房の効いたカフェでやり過ごすのも手です。当サイトの東京の涼めるカフェの選び方&おすすめタイプ7選もあわせてどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 一年で一番暑いのはいつですか?
統計的には8月の上旬から中旬です。東京の月平均気温は8月が最も高く、次いで7月の順になります。日ごとの猛暑日も、この時期に集中します。
Q. 太陽が一番高いのは何月ですか?
6月21日ごろの夏至です。昼が最も長く、地面が受け取る日射も最大になります。それでも一番暑いのが8月なのは、熱がたまるのに時間がかかる「タイムラグ」があるからです。
Q. 一日のうちで一番暑い時間帯は?
午後1時から2時ごろです。太陽が最も高い正午より少し遅れます。正午を過ぎても、入ってくる熱が逃げる熱を上回るあいだは気温が上がり続けるためです。
Q. 残暑はいつまで続きますか?
海水温が高いまま9月を迎えるため、9月いっぱいは暑さが残りやすくなります。年によっては10月初めまで真夏日になることもあります。
まとめ
一年で一番暑いのが8月なのは、太陽のピークである夏至から、熱がたまるまでの時間差だけ遅れて気温の頂点が来るからです。地面や海がためこんだ熱が抜けきらないうちに、暑さは最高潮を迎えます。同じズレは一日のなかでも起き、最高気温は正午ではなく午後の早い時間に現れます。仕組みを知れば、危険な時間帯を避け、長引く残暑にも落ち着いて備えられます。暑い盛りは無理をせず、涼しい時間と場所を上手に使って過ごしましょう。
参考サイト
- https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php | 気象庁「過去の気象データ・平年値」
- https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/ | 国立天文台 暦計算室(夏至・二十四節気)
- https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/radiation/ | 気象庁「日射・日照の観測」
