【2026年版】京都・祇園河原町の町家カフェ完全ガイド10選|江戸期の揚屋から築120年の京町家まで

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京都市の調査によれば、市内の京町家は2024年度時点で34,580軒。2016年度の40,146軒から、8年間で5,566軒が失われました。年平均で約700軒、率にして1.73%が毎年消えている計算です。今も残る町家の一部は、カフェや甘味処として使われることで建物としての役目を続けています。
この記事では、2026年8月時点で営業を確認できた京都の町家カフェ・老舗喫茶10軒を、観光の動線に合わせて祇園・東山/河原町・木屋町/京都駅周辺の3エリアに分けて紹介します。建物の由来がはっきりしている店を選びました。営業時間や価格は変わることがあるので、訪問前に各店の公式情報でご確認ください。
祇園・東山エリア(二寧坂・高台寺・花見小路)
1. かさぎ屋(二寧坂・1914年創業)
二寧坂の途中にある甘味処で、大正3年(1914年)の創業。画家の竹久夢二が通った店として知られています。名物は三色萩乃餅と京都ぜんざい。畳の座敷で、坂を上る人の流れを眺めながら食べる小豆は、観光地の喧騒のなかにぽっかり空いた静かな時間になります。
営業は11時から17時40分(閉店18時)、火曜定休。公式サイトはなく電話のみの店です。甘味の価格は情報源によって幅があるため、店頭で確認してください。
店舗ページ:かさぎ屋
2. 京甘味 文の助茶屋 京都本店(高台寺・明治末創業)
八坂の塔と高台寺のあいだ、八坂通に面した甘味処です。明治の末に落語家の桂文之助が高台寺門前の円徳院境内で甘酒茶屋を開いたのが始まりという、少し変わった出自を持ちます。名物はわらび餅。
営業は10時30分から17時30分(ラストオーダー)、不定休。東山安井のバス停から徒歩5分ほどで、二年坂・三年坂を歩く途中の休憩に使いやすい場所にあります。
店舗ページ:京甘味 文の助茶屋 京都本店
3. ぎおん徳屋(花見小路)
花見小路、京阪祇園四条駅から徒歩3分。本わらび餅で行列ができる店です。テーブルごとにコンロが備えられていて、自分で温めながら食べるのがこの店のスタイル。運ばれてきた氷の器の上でわらび餅がゆっくり形を変えていくのを見ながら食べます。
営業は12時から18時で、売り切れ次第終了。不定休です。花見小路の茶屋町の一角にありますが、建物そのものの築年数は公表されていません。
店舗ページ:ぎおん徳屋
4. 祇園 北川半兵衛(築120余年の京町家)
祇園町南側、京阪祇園四条駅から徒歩6分。築120年を超える京町家を使った茶房で、1861年創業の宇治茶問屋「北川半兵衞商店」が2018年に開きました。抹茶パフェが看板で、価格は2,400円台から2,600円台。
営業は11時から22時で、18時以降は夜カフェとして営業しています。祇園で夜まで開いている茶房は珍しく、食事のあとにお茶を飲みたいときの選択肢になります。不定休です。
河原町・木屋町・四条エリア
5. フランソア喫茶室(1934年創業・登録有形文化財)
四条河原町から高瀬川沿いを少し下がった船頭町。1934年(昭和9年)創業で、建物は2003年1月31日に国の登録有形文化財に登録されています。曲線を描く天井、ビロード張りの椅子、壁に掛かる複製画。洋館建築の喫茶室がそのまま残っています。
特製プリンが800円、ケーキセットが1,350円。営業は11時から22時で、年末年始(12月31日〜1月2日)以外は無休です。夜遅くまで開いているので、木屋町で食事をしたあとにも寄れます。
店舗ページ:フランソア喫茶室
6. 喫茶ソワレ(1948年創業・木屋町)
西木屋町通四条上る。1948年(昭和23年)創業で、店内を青い照明で満たしていることで知られます。この青い光の下で見るゼリーポンチ(750円)が、京都でもっとも写真に撮られている喫茶メニューの一つでしょう。色とりどりのゼリーが光を受けて宝石のように見えます。
営業は平日13時から19時、土日祝は13時から19時30分、月曜定休。建物は登録有形文化財として紹介されることが多いのですが、登録年月日の確認は取れませんでした。
7. 六曜社珈琲店(1950年創業・河原町三条)
河原町三条を下がってすぐ。地下店が1950年(昭和25年)に始まり、1968年に1階が増床されました。以来、内装はほとんど変わっていません。1階は8時30分から22時30分、地下は12時から23時と営業時間が分かれていて、水曜定休です。
自家焙煎は1986年から始まり、2019年からは両店とも完全に自家焙煎に切り替わりました。名物のドーナツと一緒に飲むコーヒーは、京都の喫茶店を語るときに必ず名前が挙がる一杯です。
店舗ページ:六曜社珈琲店
8. cafe marble 仏光寺店(築120年の京町家)
仏光寺通高倉東入ル。材木商の店舗兼住居だった築120年の京町家を改装し、2007年にカフェとして開いた店です。通り庭や梁がそのまま残る空間で、自家製の果実酒と手作りのタルトが看板になっています。
営業は日曜から木曜が10時から20時、金土は10時から21時。定休日は毎月最終水曜です。四条烏丸から歩いてすぐの場所にありながら、観光客の流れから一本外れているぶん落ち着いています。
店舗ページ:cafe marble 仏光寺店
京都駅周辺・島原エリア
9. aotake(大正元年建築の京町家)
京都駅から徒歩8分、下京区材木町。大正元年(1912年)に建てられた京町家で、坪庭が残っています。三味豆腐白玉と紅茶のセットが1,200円、ポットのお茶が1,000円前後。
営業は11時から17時30分、火曜と水曜が定休です(開店時刻は情報源によって11時30分との記載もあるため、訪問前に確認してください)。京都駅に着いてすぐ、あるいは帰りの新幹線までの時間に町家で過ごせる立地は貴重です。
店舗ページ:aotake
10. きんせ旅館(江戸末期の揚屋建築)
下京区西新屋敷太夫町、かつての花街・島原にあります。建物は江戸末期に揚屋として建てられたもので、推定で築250年。京都市の歴史的風致形成建造物に指定されています。今回紹介する中で、群を抜いて古い建物です。
基礎と外観は江戸期のまま、内部は大正後期から昭和初期にかけて改修されており、ステンドグラスやタイルが当時の意匠として残っています。洋酒漬けのフルーツやパウンドケーキを出すカフェとして営業していて、平日は15時から22時、土日祝は10時から22時、火曜定休。JR丹波口駅から徒歩6分から10分ほどです。
エリア別・目的別の選び方
- 二年坂・三年坂を歩くなら:かさぎ屋(1914年創業のぜんざい)、文の助茶屋(わらび餅)
- 祇園で夜まで過ごしたいなら:祇園 北川半兵衛(22時まで・抹茶パフェ)
- 行列覚悟で名物を食べるなら:ぎおん徳屋(本わらび餅・売り切れ次第終了)
- 文化財の建物に入りたいなら:フランソア喫茶室(2003年登録の登録有形文化財)、きんせ旅館(京都市歴史的風致形成建造物)
- 写真を撮りたいなら:喫茶ソワレ(青い照明とゼリーポンチ750円)
- 京都のコーヒー文化に触れたいなら:六曜社珈琲店(1950年創業・自家焙煎)
- 町家の造りを体感したいなら:cafe marble 仏光寺店(築120年)、aotake(大正元年建築・坪庭)
- 京都駅の待ち時間に:aotake(駅から徒歩8分)
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京町家はなぜカフェになったのか
京町家に統一された定義はありませんが、京都市景観・まちづくりセンターの説明では、「うなぎの寝床」と呼ばれる間口が狭く奥行きの長い敷地に建ち、伝統的な木造の軸組で、通り庭・続き間・坪庭・奥庭のいずれかを持つ(持っていた)建物を指すのが一般的とされています。
この建物が減り続けています。京都市の令和6年度の調査では34,580軒で、2016年度の40,146軒から8年で5,566軒、13.9%が失われました。年平均の滅失率は1.73%です。
流れが変わるきっかけになったのが、京都市が2000年5月に発表した「京町家再生プラン」でした。翌2001年から実際の再生事業が動き始め、それまで住宅として使われるのが当たり前だった町家が、店舗や宿泊施設、そしてカフェへと用途を広げていきます。今回紹介したcafe marble仏光寺店が開業したのが2007年、祇園 北川半兵衛が2018年。町家でお茶を飲むという体験は、建物が使われ続けるための仕組みでもあります。
訪れる前に知っておきたいこと
- 営業時間が短い店が多い:かさぎ屋は18時閉店、ぎおん徳屋は18時まで(売り切れ次第終了)、aotakeは17時30分まで。夕方以降に回ろうとすると、開いているのはフランソア喫茶室・六曜社・北川半兵衛あたりに限られます。
- 定休日が分かれている:かさぎ屋は火曜、喫茶ソワレは月曜、六曜社は水曜、aotakeは火水、きんせ旅館は火曜。何軒か回る予定なら、先に営業日を確認してください。
- 公式サイトがない店がある:かさぎ屋、きんせ旅館、aotakeは公式サイトが確認できず、電話やSNSでの案内が中心です。価格や営業時間の最新情報は電話で確かめるのが確実です。
- 「築100年の町家」の表記に注意:老舗喫茶でも建物が建て替えられている例があります。たとえばイノダコーヒ本店は1940年創業ですが、1999年の火災のあと2000年に鉄筋コンクリート造で再建されています(外観は木目調に仕上げられています)。建物そのものが古いかどうかは、創業年とは別の話です。
- 価格の表記に幅がある店がある:かさぎ屋の甘味や北川半兵衛の抹茶パフェは、掲載媒体によって金額の記載が分かれています。目安として考えてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 本当に古い町家の建物に入れるのはどの店ですか?
建物の年代がはっきりしているのは、きんせ旅館(江戸末期の揚屋建築・推定築250年・京都市歴史的風致形成建造物)、cafe marble仏光寺店(築120年)、祇園 北川半兵衛(築120余年)、aotake(大正元年=1912年建築)です。フランソア喫茶室は2003年に登録有形文化財となった洋館建築です。
Q. 1日で何軒くらい回れますか?
エリアをまたぐと移動に時間がかかります。祇園・東山で2軒、河原町・木屋町で2軒というのが現実的です。二年坂周辺のかさぎ屋と文の助茶屋は徒歩圏内なので組み合わせやすく、木屋町のフランソア喫茶室と喫茶ソワレも近い距離にあります。
Q. わらび餅が食べられるのはどこですか?
ぎおん徳屋(本わらび餅・自分で温めるスタイル)と文の助茶屋の2軒です。徳屋は売り切れ次第終了で行列もできるため、早い時間に向かってください。
Q. 夜まで開いている店はありますか?
フランソア喫茶室が22時まで、六曜社珈琲店の地下が23時まで、祇園 北川半兵衛が22時までです。京都の甘味処は夕方に閉まる店が多いので、夜にお茶を飲みたいときはこの3軒が候補になります。
Q. 京都駅の近くで町家に入れますか?
aotakeが京都駅から徒歩8分で、大正元年建築の町家に坪庭が残っています。営業は17時30分までなので、到着日の午後か、帰る日の早い時間に組み込むのがよいでしょう。
まとめ
京都の町家カフェは、歩く順に並べて考えると回りやすくなります。二年坂を上るならかさぎ屋と文の助茶屋、祇園で夜まで過ごすなら北川半兵衛、木屋町ならフランソア喫茶室と喫茶ソワレ、河原町なら六曜社。京都駅に着いた直後や帰る前の時間にはaotakeがあります。
建物の古さで選ぶなら、島原のきんせ旅館が群を抜いています。江戸末期に揚屋として建てられ、大正から昭和初期の改修でステンドグラスが加わった建物です。京町家は8年で5,566軒が失われました。いま入れる店に入っておくというのは、この街ではそれなりに意味のある選び方です。
参考サイト
- https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000348982.html | 京都市「令和6年度京町家状況調査」
- https://machi.hitomachi-kyoto.jp/machiya_j/about | 京都市景観・まちづくりセンター「京町家とは」
- https://machi.hitomachi-kyoto.jp/machiya_j/plan | 同「京町家再生プラン」
- https://francois1934.com/ | フランソア喫茶室 公式サイト
- https://www.soiree-kyoto.com/ | 喫茶ソワレ 公式サイト
- https://rokuyosha-coffee.com/about.html | 六曜社珈琲店 公式サイト
- https://www.cafe-marble.com/shop/bukkoji/ | cafe marble 仏光寺店 公式サイト
- https://gion-kitagawahanbee.kyoto/ | 祇園 北川半兵衛 公式サイト
- https://ecstore.bunnosuke.jp/ | 文の助茶屋 公式サイト
- http://gion-tokuya.jp/ | ぎおん徳屋 公式サイト
