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お月見の日は、秋にもう一度ある|「十三夜」は2026年10月23日、満月にならないのに日本だけで続いてきた

公開: 2026/10/19 更新: 2026/10/18
お月見の日は、秋にもう一度ある|「十三夜」は2026年10月23日、満月にならないのに日本だけで続いてきた

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9月25日の中秋の名月を見上げた人は多いと思います。実はその1か月後にも、月を見る日があります。十三夜(じゅうさんや)です。

2026年の十三夜は10月23日(金)。国立天文台によれば、この風習は日本独自のもので、919年の月見の宴にさかのぼるとされています。そして十三夜の月は、どうやっても満月になりません。

2026年の十三夜は10月23日

十三夜は旧暦(太陰太陽暦)の9月13日です。旧暦の月は新月(朔)の日から始まるので、日付は毎年ずれます。

国立天文台の暦要項によると、2026年10月の朔は10月11日0時50分。この日が旧暦9月1日なので、13日目は10月23日ということになります。

この月には呼び名がいくつもあります。中秋の名月=前の月に対して後(のち)の月、中秋の名月とあわせて二夜(ふたよ)の月。ほかに栗名月、豆名月とも呼ばれます。

おまけの偶然をひとつ。同じ10月23日の18時38分が霜降(そうこう)です。二十四節気で秋の最後にあたる節気で、暦の上ではここから冬の入口までひと月を切ります。

十三夜の月は、満月にならない

ここが十三夜のおもしろいところです。国立天文台の暦Wikiは、はっきりこう書いています。「満月には幅がありますが、十三夜が満月になることはありません」。

実際、2026年10月の満月(望)は10月26日13時12分。十三夜の10月23日から3日先です。

新月から13日目の月は、右側が明るく、左側がわずかに欠けます。まん丸まであと少し、という形です。満ちきる手前の月を、わざわざ選んで見る。それが十三夜です。

始まりは919年の月見の宴

国立天文台によれば、十三夜の風習は延喜十九年九月十三日(ユリウス暦で919年10月9日)、寛平法皇が催した月見の宴に端を発するとされています。

1100年あまり前です。中秋の名月のほうは中国から伝わった行事ですが、十三夜を祝うのは日本だけ。輸入した習慣の隣に、自前の月見日をもうひとつ作ったことになります。

なぜ13日目なのかは、いまも分かっていない

919年にさかのぼるとされる行事なのに、なぜ十五夜ではなく十三夜なのかは分かっていません。国立天文台も「明確な理由を述べたものがないためか、古くからさまざまな俗説が唱えられてきました」と書いています。

確かなのは2つだけです。延喜十九年に月見の宴があり、そこで詩を楽しんだこと(『躬恒集』)。そして寛平法皇が「今夜明月無雙(今夜の明月に並ぶものはない)」と述べたこと(『中右記』)。それ以上は分かりません。

いちばん有名な説は『徒然草』のものです。

八月十五日、九月十三日は婁宿なり。この宿淸明なるゆゑに、月をもてあそぶに良夜とす。

婁宿は二十八宿のひとつ。この2日は婁宿にあたり、澄んだ宿なので月見によい夜だ、という説明です。ところが国立天文台は、これを2つの側から退けています。

ひとつは月の居場所です。満月は太陽と反対の方向に来るので、秋分ごろの満月=中秋の名月は、天球上で春分点のあたりに位置します。月の公転周期は満ち欠けの周期より2日ほど短いため、旧暦9月13日の月も旧暦8月15日とほぼ同じ、やはり春分点付近にいます。では婁宿が春分点付近なのかというと、歳差のせいで十三夜が見られるようになった延喜十九年には、春分点に近いのは奎宿(けいしゅく)のほうでした。実際その年の十三夜は、壁宿のあたりに月があったそうです。そもそも十五夜は秋分の前後15日にわたるので、ひとつの宿に収まりようがありません。

もうひとつは暦です。『徒然草』が書かれた当時の暦(宣明暦)では二十七宿で暦注を割り当てていたので、8月15日と9月13日は必ず婁宿になる仕組みでした。兼好の断定的な物言いはここから来ているのだろう、というのが国立天文台の見立てです。のちに貞享暦が二十八宿を採用してこの関係が崩れ、江戸時代にはすでに信用できない説とされていたそうです。

ちなみに『徒然草』が書かれたとされる元徳二年(ユリウス暦で1330年10月25日)の十三夜は、たまたま婁宿のあたりに月がいたとされます。目の前の夜空を見て書いたのだとすれば、誤解の生まれた事情までは想像がつきます。

ほかにも俗説はいろいろあります。

  • 藤原忠通の漢詩(『本朝無題詩』)を起源とする説
  • 菅原道真が九月十五日に詠んだ漢詩の「五」を、後の人が「三」と読み間違えたとする説
  • 先帝の御國忌(みこき、命日)にあたったので月見をずらしたとする説
  • 九月十三夜を祝ったら後朱雀天皇が即位できたから、という説

どれも決め手を欠いています。理由が分からないまま千年あまり語り継がれてきた行事、というのが正確なところです。

よくある質問(FAQ)

Q. 2026年の十三夜はいつですか?

10月23日(金)です。旧暦9月13日にあたります。2026年10月の朔(新月)が10月11日0時50分なので、そこから数えて13日目になります。

Q. 十三夜は満月ですか?

いいえ。国立天文台は「十三夜が満月になることはありません」と明記しています。2026年10月の満月は10月26日13時12分で、十三夜の3日後です。

Q. 十三夜の別名を教えてください。

後(のち)の月、二夜(ふたよ)の月、栗名月、豆名月などと呼ばれます。「後の月」は中秋の名月を「前の月」と見たときの呼び方です。

Q. 十三夜は日本だけの風習ですか?

はい。国立天文台は「この風習は日本独自のもの」としています。中秋の名月は中国から伝わった行事ですが、十三夜の月見は日本で始まりました。

Q. なぜ13日目に月を見るのですか?

分かっていません。延喜十九年(919年)に寛平法皇が月見の宴を催したことが起点とされますが、なぜその日を選んだかを説明した確かな記録はなく、さまざまな説が唱えられてきました。

Q. 10月23日は霜降でもあるのですか?

はい。2026年の霜降は10月23日18時38分です。二十四節気で秋の最後にあたる節気で、十三夜と同じ日に重なりました。

欠けぎわの陰影は肉眼より倍率のあるほうがよく見えます。手持ちで見るなら双眼鏡をYahoo!ショッピングで探せます。満月より、欠けている日のほうがクレーターの影は濃く出ます。

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まとめ

2026年の十三夜は10月23日(金)。旧暦9月13日で、同じ日の18時38分には霜降も重なります。国立天文台によれば、十三夜の月見は日本だけの風習で、919年に寛平法皇が催した宴に始まるとされます。ただし、なぜ十五夜ではなく十三夜なのかは1100年たったいまも分かっていません。『徒然草』の説明も、江戸時代にはすでに信用できない説とされていました。この日の月は満月になりません。2026年の満月は3日後の10月26日で、十三夜はわずかに欠けた月です。満ちきる手前を選んで見上げる夜が、理由の分からないまま千年あまり語り継がれてきた。それが十三夜という行事です。

参考サイト

  • https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C3E6BDA9A4CECCBEB7EEA4C8A4CF2FBDBDBBB0CCEB.html | 国立天文台 暦計算室「暦Wiki/中秋の名月とは/十三夜」(日本独自の風習・919年の月見の宴・満月にならない理由・徒然草の説の検討)
  • https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2026/rekiyou263.html | 国立天文台「令和8年(2026)暦要項 朔弦望」(10月11日0時50分の朔、10月26日13時12分の望)
  • https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2026/rekiyou262.html | 国立天文台「令和8年(2026)暦要項 二十四節気および雑節」(霜降 10月23日18時38分)
  • https://ja.wikisource.org/wiki/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89_(%E5%9C%8B%E6%96%87%E5%A4%A7%E8%A7%80) | 吉田兼好『徒然草』(國文大觀本。「八月十五日、九月十三日は婁宿なり」の一段)


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